「うちの子、大丈夫?」ネット依存・ゲーム依存に気づくためのチェックしたいサインとは

 

 

子どもがゲームや動画、SNSに夢中になっている姿を見ると、「うちの子は本当に大丈夫だろうか」と不安を感じてしまうのではないでしょうか。

ネット依存症やゲーム依存症は、回復可能ではありますが、深刻化すると子どもの心身の健康や日常生活に大きな影響を与えます。そのため、早期発見・早期対応が非常に重要になります。依存症のサインに気づき、早い段階で適切な支援・サポートを行うことができれば、症状の悪化を防ぎ、子どもの健全な成長を守ることにつながります。

 

ここでは、心理学者Griffiths(2005)が提唱した「依存症の6つの要素」をもとに、子どものネット依存やゲーム依存のサインに気づくためのチェックリストをご紹介します。

 

 

依存症の6つの要素と具体的なサイン

 

サイン① 顕著性(Salience)

 

特定の活動(ネットやゲーム)が子どもにとって最も重要な活動となり、他の活動中も常に頭から離れない状態です。勉強中や食事中にもゲームやSNSのことばかり考えて、その話ばかりする、早くゲームをしたくて落ち着かない、スマホを触らずにはいられないといった様子が見られる場合は注意が必要です。

 

 

サイン② 気分修正(Mood modification)

 

気分をよくするための「自己治療」として使用するようになるというものです。このサインでは、子どもがネットやゲームを使った後に気分が明らかに変化し、元気になったり、落ち着いたりするといった様子が見られます。イライラや不安、ストレスがあるときにデジタル機器を使って気持ちを落ち着けるという経験が繰り返されるされると、手放しにくくなり依存のリスクが高まります。

 

 

サイン③ 耐性(Tolerance)

 

以前と同じ満足感を得るために、徐々にネットやゲームの利用時間が長くなっていく場合、耐性が生じている可能性があります。例えば、以前は1日1時間で満足していたゲームが徐々に2時間、3時間と延びるなどがその一例です。また、ゲームの内容もより刺激的なものになっていく、課金額が多くなっていくといった変化にも耐性の可能性があります。

 

 

サイン④ 離脱症状(Withdrawal)

 

ネットやゲームを急にやめたり使用を制限したりすると、不安やイライラ、落ち着きのなさなどの症状が現れることがあります。スマホやゲーム機が使えない状況で、強いストレスや怒りを示すようであれば、初期の依存サインとして注意が必要と言えます。

 

 

サイン⑤ 対人関係や学業における葛藤(Conflict)

 

家族や友人などの対人関係や生活面で問題が生じてもネットやゲームをやめられないという葛藤や、子どもの心の中で、「やめなきゃいけないとわかっていてもやめられない」という葛藤を抱くことも含まれます。ネットやゲームの過剰使用により、家族関係や友人関係が悪化したり、学校の成績が低下したりします。ゲームに没頭するあまり、学校や家庭での役割をおろそかにする兆候が見られたら、早急な対応が求められます。

 

 

サイン⑥ 再発(Relapse)

 

ネットやゲームの使用をやめる、またはある程度制限できたとしても、すぐに以前の使用パターンや使用量に戻ってしまう傾向があります。「約束したけれど守れない」「少し使っただけで元通りになる」という状態も、依存への注意が必要なサインとなります。

 

 

 

なぜサインを見逃してはいけないのか?

 

サインを早期に見つけることが重要な理由は、依存症が進行すると、治療や介入が困難になるだけでなく、子ども自身の心身の健康や学業成績、人間関係に深刻な影響を与える可能性があるからです。

 

また、依存が深刻化してからの対応は、家族全体にとっても精神的・経済的負担が大きくなります。初期のうちに気づき、適切な支援を行えば、子ども自身が自分の行動を客観視し、自ら使用方法を改善できる可能性が高まります。

 

 

 

子どもの依存を防ぐために保護者・学校ができること

 

今回紹介したサインは、まず依存症の疑いがあるかどうかを簡便にチェックするものです。依存症かどうかの診断は、医師が行うものであるため、これらのサインが当てはまって心配な場合は医療機関の受診を検討してください。

 

サインに気づいた際、すぐに叱ったり禁止したりするとかえって子どもとの関係を悪化させてしまうため、効果的ではありません。まず、冷静に子どもの行動を観察し、コミュニケーションをとっていくことが重要です。

 

ネットやゲームが子どもにとってなぜ魅力的なのかを理解しながら、子ども自身でも現在の状態を見つめ直し、使い方を考えられるように導くことが大切です。
さらに、ネット以外の楽しみや趣味、スポーツなどの余暇活動を推奨し、家族全体でデジタル機器の使い方を見直す機会を持つことも有効でしょう。

 

 

 

引用・参考文献

 

Griffiths, M. (n.d.). A “components” model of addiction within a biopsychosocial framework.